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会議室スタッフ通信|学びと交流を深める!『第17回八重洲塾』開催レポート

学びと交流を深める!『第17回八重洲塾』開催レポート


学びと交流を深める!『第32回八重洲塾』開催レポート

イオンコンパスでは、「未来創造」のための「学び」と「交流」の場として、定期的に開催されている「八重洲塾」の開催に協力しています。第一回~第三回は「女性の活躍」、第四回~第六回は「食と健康」、第七回〜九回は「農業の未来創造」、第10回と第11回は「女性農業者活躍」、12回目からは「SDGs」をテーマにして、専門家を招いた講義を開催しています。そして17回目となる八重洲塾が、2018年12月13日に開催されました。


テーマは「SDGs」

学びと交流を深める!『第39回八重洲塾』開催レポート

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは「持続可能な開発目標」のこと。地球環境や経済活動、人々の暮らしを持続可能とするために、すべての国が2030年までに取り組む行動計画で、気候変動対策など17の目標からなります。

17回目の八重洲塾では「世界の食糧事情」と題し、環境経済学・開発経済学を駆使し、システム論的視点からの問題分析を得意とする、東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授 川島博之氏に講演いただきました。大きく取り上げられることが多い「食糧不足に陥る懸念」や「サステナビリティの重要性」などについて、川島氏はデータを正しく読み解き、理解することの大切さを語ります。


川島博之氏:「SDGs 世界の食糧事情」

学びと交流を深める!『第43回八重洲塾』開催レポート

川島氏がまず取り上げたのは「食糧不足への懸念は本当か?」という疑問でした。川島氏によれば実際のところ「世界の食糧は余っている」と語ります。

「フランスではナポレオン時代から小麦の単収(t/ha)についてのデータがある。ここ20~30年での起伏があるが、長い目で見ると1トンしかなかった時代が非常に長い。後に微増するが、その理由は南米からもたらされた窒素肥料によるものだ。(中略)小麦の単収が急激にあがったのは、1950年頃、これは科学技術の進歩によるものである」

「ヨーロッパの共通農業政策は常にこのことを議論している。ミルクが余っている。チーズなどの加工品にしてはいるが、ヨーロッパのデモではミルクを浴びせることもある。自国で消費できないほど余っているものは国外に輸出してはどうか、ということになる。こうして、イギリスとフランスの間で、余った食糧を輸出しあう、押し付け合いのような構図が発生してしまう。貿易戦争の原因は、単純に余った食糧の問題・農業問題によるところが大きい」

その過剰供給の原因とは何か。川島氏は、農業生産活動の方向転換の難しさをあげます。

「長年、変動の少ない単収で続けられた伝統がある中で、ここ数年の食糧の過剰供給を起こしたとしても、それを急に認めたり方向転換する事は難しい。農業は簡単にはリストラできないのである。そうしたこだわりはアメリカで非常に強く見られる」

もう一つ、川島氏が疑問を呈したのは「人口の爆発」です。川島氏は「世界の人口は爆発はしていない」と語り、データに基づいて理由を解説しました。

「昔はアジア圏では7~8人子供を産むのが当たり前だったが、インドですら、平均して2.2人ほどに減少しており、すでに子だくさんではない。都市部などでは2人を切っており、晩婚傾向が進むのはどこの国も一緒である。女性の結婚年齢は上がり、女性の社会進出は、止められない」

「結婚税の話には消極的なため、日本は少子高齢化前提で話が進んでいるが、女性の社会的地位が高い国は自然と出生率が低くなる。ちなみに中国での出生人数は平均1.6人程度でインドでも2050年頃に人口が減り始めるとのことである」


「20世紀を背景とした問題提起」と、21世紀の問題とのギャップ

学びと交流を深める!『第43回八重洲塾』開催レポート

最後に、川島氏が指摘したのは20世紀の問題が、現在の21世紀の問題と質が異なっているという視点でした。

「服装に関して、かつて着物の色でステータスを表していた時代があったが、現代はノーネクタイスタイルでビジネスの場に出る事も増えている。億万長者がTシャツを着て、片手にビックマックという姿にも誰も驚かなくなっている。それが21世紀のリアルな市場の姿だと思う。

官僚たちが話す問題は20世紀を背景として問題提起されているため、今の世の中のトレンドは違う」

このようなトレンドの違いを踏まえながら「自身の得意の分野で今一度できることや、ビジネスチャンスを見直していただきたい」と参加者へメッセージを送りました。

講演後の質疑応答の時間では、参加者からさまざまな分野の質問が寄せられ、今回の講演テーマに対する関心の高さが伝わってきました。


八重洲塾の名前の由来

現在は東京駅の東側を指す地名となっている「八重洲」。
この地の名は、江戸時代に通訳として徳川家康に仕えたオランダ人「ヤン・ヨーステン(1556-1623)」の屋敷があったことに由来しています。

ヤン・ヨーステンを生んだオランダは、日本が見習うべき農業大国であり女性の社会参画が積極的な国としても知られており、文化発展の礎となったこの地で「女性の活躍」や「農業」学びを発展させていきたいという想いをこめて『八重洲塾』という名前をつけました。

(主催:株式会社アグリインキュベーター、共催:一般社団法人未来農業創造研究会、協力企業:イオンコンパス株式会社・マイファーム株式会社・イーサポートリンク株式会社)


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